認知症と歩幅の関係~狭い人は要注意

認知症と歩くことの間には、深い関係があると言われていました。

 

たとえば適切な歩行には、全身の血流を促進させることにより、脳への血流も促進する作用が期待できます。

 

それにより脳の認知機能が上昇することが期待できると言われています。

 

ですから予防のためにウォーキングを行っていると言う人も多いかと思われますが、最近では歩幅が認知症と関係があると言うことが明らかにされました。

 

これは群馬県で、この病気を発症していない高齢者を対象に長年に行われた調査研究の結果によるもので、まず歩く速度に関して言うと、これがどんどん遅くなっていく人は、そうでない人に比べると、調査研究の間にこれを発症するリスクが高いと言う結果が出ています。

 

そして歩幅に関しては、歩幅が狭くなっていく人は、それが広いままで保たれている人に比べて、発症リスクが高くなっていると言う結果が出ています。

 

どれくらい高くなっているかと言うと2.8倍と言う数字が出されているので、これは無視できない数字です。

 

人は、確かに年齢を重ねていくと筋肉量が衰えていきます。そしてその影響を受け、歩行速度が遅くなったり、歩幅が狭くなっていきます。

 

しかしこの調査研究においては、そうした通常の加齢の影響ではなく、明らかに早くこうした変化が見られている人がいると言うこと、そしてその人たちの多くに、数年後、認知症の発症が見られる傾向が高くあったと言うことが明らかにされています。

 

歩く速さ、歩幅には関係があるとも言えるので、それらはセットで認知症と関係があると言うことができます。

 

この内、歩くスピードに関しては自分でもある程度は把握できるものです。

 

しかし歩幅に関しては、自分のそれが狭いのか広いのか、他の人はどうなのかわからないと言う人も多いかもしれません。

 

そこで簡単にできる自己チェックの方法として挙げられているのが、横断歩道を渡る際のチェック方法です。

 

横断歩道には何本かの白線が引かれていますが、この白線は約45センチの間隔で引かれています。

 

この白線を踏まずに、またぐことができれば、とりあえずは安心だと言われています。

 

これは足の大きさを考えた上で、白線に爪先を置いて次の一歩を踏み出し、そしてそれが次に引かれている白線を踏んでいなかった場合には、だいたい65~73センチくらいの幅をとれているためです。

 

先の調査研究では、認知症発症リスクが高くなった群は、男性で70歳の人で約73センチ、80歳の人で約62センチ、90歳で約50センチ、女性の場合は同じ年齢で約63センチ、約53センチ、約43センチと言うデータが出されています。

 

そのため、この数字より下回ると、つまりは横断歩道の白線を踏まずに渡ることができなくなると、歩幅が狭いと判断することができると言うことです。

 

歩くことは簡単に動作のように見えて、状況判断、それに合わせて体を動かすなど、複雑な脳の処理を要求される動作です。

 

そのため歩幅が狭くなることは、脳の処理能力に対しても影響が出てきていることのあらわれであり、認知症の発症リスクにも深く関係しているのではないかと言われています。

 

 

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