有料老人ホームには、様々な形態があります。
民間で運営されている主なものは”介護付き有料老人ホーム”と”住宅型有料老人ホーム”です。
医療法人や社会福祉法人などは”地域密着型の施設”や”軽老人ホーム”を展開しています。
それぞれに条件や特徴がありますが、これから老人ホームに入居を考えている方は介護付きの有料老人ホームが一番最初に頭に浮かぶのではないでしょうか。
終の棲家になる可能性もありますし、重い病気になったらどこまで面倒を見てくれるのだろうかとか、ホームの人達とうまくやっていけるのだろうかなど様々な不安があるでしょう。
何か問題が起きたらというリスクを意識して、入居条件や入居事項を念入りに確認して検討しなければなりません。
有料老人ホームの基本サービス
生活上の基本的なサービスは、高齢者が暮らしやすい住空間と食事、介護、洗濯掃除などの日常生活に必要なことが全てそろっています。
あとは施設の規模やお部屋の大きさ、細かいサービス内容などを吟味していきます。
一番気になるのは生活するお部屋の広さだと思いますが、それはホームの規模によって様々です。
比較的規模の大きいところは居間の他にトイレ、お風呂、洗面台の水回りに小さなキッチンがついたマンション風で、小さい規模のホームは介護の必要性が高い人向けのところが多く、トイレ、洗面台はつきますが、お風呂がないワンルームの形が多いです。
病院と同様に介護をしやすい構造になっています。
その他の重要な点はやはり共用施設でしょう。
お部屋にずっとこもっているわけにもいきませんし、社交的な人は重要視しなければならないところです。
ラウンジや共用の居間の広さや雰囲気、図書室の有無、卓球やマージャン、囲碁、ダーツなどができる娯楽室の有無などもポイントです。
自分のライフスタイルに合った施設を選ぶことが大切です
また健康の為に適度な運動も必要になりますから、トレーニングルームの有無もはずせません。
今は高齢者専用の筋肉を鍛えるためのマシンを置いているところもあります。
雨天の日や定期的に歩行訓練がしたい人には歩行マシンが便利になります。
施設が独自で開催している催し物や習い事もあり、ダンスや体操、音楽や映画鑑賞など様々なものがあります。
日常生活の幅を広げるためにも自分のライフスタイルに合った施設を選ぶことが大切です。
そして、病気になってしまった場合も想定しなくてはなりません。
基本的にはホームには看護職員がいて、外部の病院と連携して通院や入院、定期健診が必要な場合は手配をしてくれます。
ホームによっては、医師の指示に従ってホームで医療行為をしてくれるところもあります。
有料老人ホームに入居するための費用
家賃、管理費、食費、介護費など生活にかかるサービスの全ては自己負担となります。
家賃の支払の方法は全額一括前払い、月払い、一部を前払いして残りを月払いにするなどがありますので条件などもみて選びます。
管理費、食費、その他の光熱費や通信費などは月払いとなります。
食事をとらなかった場合も費用が発生するのか、などの細かい事項は施設によって異なりますので確認が必要です。
では実際にどのようにホーム選びをしていくのでしょうか。条件は人それぞれです。
まずは自分の状況や希望をまとめましょう。
自分のライフスタイルや身体的な状況（歩行困難であるとか）、ホームの環境や家族が通ってこれる場所にあるか、ホームに希望するサービスなど考えられるものをできるだけ整理しておけば、余裕を持って選択できます。
自分がどんなホームに入りたいのか具体的に整理できたら、資料を取り寄せるなどなるべく多くの情報を集めて比較検討します。
ほとんどのホームでは見学や体験入居ができますのでこれを利用します。
入居してから”こんなはずじゃなかった”とならないように、なるべく複数のホームの体験入居を経験しそれぞれの特徴を理解します。
ホームが決まったらいよいよ契約となるわけですが、後のトラブルとならないようにその内容は十分に把握しておくことが必要となります。
前払い金の有無や返還の際の条件など老人福祉法で定められている規定に沿っているか、もし万が一入居後にすぐに解約したい場合に短期解約特例の記載があるかなど、様々なケースに備えて確認しなければなりません。
ホームからの契約解除の条件も法律で定められていますが、条件を独自で科しているホームもありますので注意が必要です。
このように、ホーム選びはいかに自分の希望や状況と合った条件であるかがポイントとなります。
サービスの内容と費用の折り合いもあります。
日常生活におけるサービスももちろん大切ですが、本当に困った事態になった時に、どの範囲でどこまでしてくれるのか、具合が悪くなった時に契約内容によってはホームにいられなくなるケースもありますので常に最悪の事態を想定します。
高額なお金を払って入居するわけですから、これほど注意深く検討することでより良い有料老人ホームを選ぶことができるでしょう。