小規模多機能型居宅介護って何?上手に利用して家族の負担減

近頃、親の様子がおかしい、家で二人でお昼を食べていると後ろに人がいるとか、朝ご飯食べなかったとか言い出すし、今日は何曜日かわからない・・・いったいどうしちゃったんだろうと思うことが増えてきたら、そろそろ介護を本気で考えなければならない時期です。

 

理想を言えば、眺めの良い広い部屋で、介護士さんや看護師さんが至れり尽くせりで、食事も豪華な高級老人ホームに入れてあげたいものですが、それには入居金も高額で、月に何十万もかかります。

 

本人が一財産築いた人ならそういう例もありますが、一般庶民の懐では夢のまた夢。

 

それに、個室で一日中一人で暮らすことは、本人にとって果たして幸せなのでしょうか。

 

今のお年寄りの世代は、まだ核家族化も進んでいない家庭で育った人も多く、近所づきあいも多かった世代なので、やはり同世代の友達と一緒にいたい人が多いでしょう。

 

また、年を取ったら今までの生活とは違う状態に置かれることにはなかなか慣れるものでもありません。

 

慣れ親しんだ自宅で暮らしたいと思うのが普通です。

 

家族と一緒でも、一人暮らしでも、いつもの自宅でくつろげるのが一番という人が多いでしょう。

 

 

小規模多機能型居宅介護は柔軟性のある施設

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そんな中、最近人気を集めている介護形態に、小規模多機能型居宅介護というものがあります。

 

これは利用するにあたり大変柔軟性のある介護施設で、基本的には自宅で過ごしながら、デイサービスへの「通い」、短期的な「泊り」、また自宅への「訪問」と数種類の介護を場合によって使い分けることのできるやり方をとっています。

 

小規模多機能型居宅介護は、少人数登録制なので、こじんまりした知り合いのお家といった感じの清潔な建物で、いつまでも顔見知りの同じスタッフや、同年代の同じ人達に囲まれて賑やかに過ごすことができます。

 

季節ごとのイベントも工夫が凝らされていて、春はお花見、秋には紅葉狩りにとお出かけイベントに連れて行ってくれますし、お誕生日にはお祝いされてプレゼントをもらい写真をとったりもしてくれます。

 

デイサービスは、体の機能を保つ体操や、頭の働きを衰えさせないクイズや工作、お絵かきや、みんなで一緒に大きな声で歌を歌ってストレス解消など、多彩なメニューでお年寄りを飽きさせません。

 

もちろん栄養に気を配ったスタッフ手作りの昼食や、スタッフが体を洗ってくれる入浴もついているのが普通です。

 

小規模多機能型居宅介護のスタッフは認知症についても知識が豊富で、経験も豊かな人が一か所に数人いるのが普通なので、認知症が進んでも安心して預けられるところがほとんどです。

 

家族のいる人は、通い帳のようなものがあって、本人の施設内での様子や、家族の要望などを互いに伝え合うことができるようになっています。

 

介護認定を受けていれば担当のケアマネジャーがつき、行政の指導に基づいて毎月家族を含めた面談があり、介護計画表が作成されます。

 

自宅介護を行っている家族の方には、ケアマネジャーや施設のスタッフは強い味方。

 

困ったことがあるときには解決に向けて相談に乗ってくれます。

 

家から施設までは、スタッフが運転するマイクロバスで送迎してくれるので、同じ地区の中なら少し離れたところでも大丈夫。

 

本人に一番合った施設を選んであげましょう。

 

家にいるときに突然、認知症でわけが分からなくなって「あ、うちに帰らなくちゃ。」と言って外に出ようとしたり、幻覚を見て「怖い人がいる」と暴れるようなことがあっても、ケアマネジャーかスタッフに電話で相談し、対応してもらうこともできます。

 

また、介護している家族が子供にせがまれて旅行に出かけたいとか、介護疲れでゆっくり休みたい、また風邪で寝込んでしまった、ということも必ず出てきます。

 

そんな時も小規模多機能型居宅介護なら、施設に泊まることができます。

 

施設の中には個室が数部屋あって、ベッドとクローゼットや、必要に応じてポータブルトイレがおいてあったりもして、認知症の人でも顔見知りの人達の中で安心して眠ることができます。

 

ベッドの空き状況にもよりますが、前もって相談することができればまず断られることはないでしょう。

 

自宅で暮らしているときに骨折などして病院に入院した後、病院から紹介されてリハビリのために短期入居をするお年寄りもいます。

 

車いす生活だと自宅で親の世話をするというのも大変なので、小規模多機能型居宅介護施設で数か月、元気になるまでお世話になるという使い方ができるのも、柔軟性のある施設ならではです。

 

小規模で家庭的な老人ホームであるグループホームを併設している施設であれば、グループホームに空きが出るまでの短期入所をするお年寄りもいます。

 

古風な考え方の人の中には、「親は自分でしっかり看取るもの」と思い込み、施設なんてかわいそう、とばかりに一人で苦労を背負い込む人もいます。

 

また家族のいないお年寄りの場合、まだまだ一人で暮らせるけどどうも心細くなってきた、という人もいます。

 

そしてお年寄りのほとんどは、子供には苦労をかけたくないと思っています。

 

そんな人には小規模多機能型居宅介護はとても便利な存在です。

 

悩まないで、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

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