ほとんどの有料老人ホームは、付き添いが家族等と一緒であれば外出や外泊を認めています。
これは民間の有料老人ホームであっても公的介護保険施設である特別養護老人ホームであっても介護保険老人施設でも同様です。
その際には、事前に外泊届け等を提出して、出発時間と到着時間の予定や連絡先を伝えておくことになります。
このため、家族と旅行に行ったり、週末は自宅で過ごしたいという方にも対応できるようになっています。
しかしながら、外出ができないケースもありますので注意が必要になります。
例えば、要介護の方が多く利用している特別養護老人ホームや介護保険老人施設では、家族等のリスクを考えて、付き添う家族がいない一人での外出や外泊を認めていないのが一般的です。
「要介護」とは、何らかな介護が必要であるから認定されているわけで、その程度にかかわらず施設では付き添いなしの外出や外泊は認めないケースが多いです。
介護を前提にお預かりしておりその範囲内での不自由についてはリスクや事故を避けるためにもやむを得ません。
鼻や胃に開けた穴から管から栄養剤を注入する「胃ろう」である人や「酸素マスク」や「痰の吸引」が必要な日常的治療を要する人は、外出や外泊はかなりハードルが高くなるのです。
葬儀・法事に出席したいなどの場合は、看護士が同行したりする措置を施設側で配慮しないと認められないケースがあるので相談が必要になります。
認知症を患っている方は、環境の変化への対応が苦手であるケースが多く、外泊など普段の行動範囲を外れ、環境が変わることで混乱して興奮状況になったりすることがあります。
夜眠れないなどご本人への負担が大きくなるためにできれば避けたい状況になります。
特に付き添いで責任をもって管理できる人がいない場合は認められないのが一般的になります。
付き添う家族がいれば、事前に届けを出してさえいれば外出は比較的自由のできる施設が多いです。
また徒歩5分以内の比較的近いコンビニに行ったり散歩にホーム職員と行くことは認められるケースが多いです。
しかし当日伝えても認められないホームもありますから注意が必要です。
出かけるにあたって昼食はいらないなどの外での食事もできる所が多いので安心して家族と外食を楽しむこともできます。
ホームでの生活パターンを崩さないことが原則になりますから、認知症の方だけでなく、高齢になればなるほど心身への負担がかかることになりますから、できるだけホームと同じような生活リズムで過ごせるような配慮が必要になってきます。
特にトイレや持参しておいたほうがいい介護用品などの準備には十分気を付けて介護をすることを前提とした配慮をするようにしなければなりません。
老人ホームで過ごすようになると、今までの趣味活動や交友関係をあきらめてしまう人が多いです。
しかしながら心身の健康を保つために外にでることも必要です。
家族の方はそのような点にも配慮して対応してあげることも大切です。