
非常に憂慮されていることですが、ここ日本において認知症を患う高齢者は増加の一途をたどっています。
そのため、こうした方々をどのように支援していったらよいかという問題は、日本の重要な課題ともなっているのです。
高齢になった大切な親を自分たちで世話したいと願うものの、毎日の仕事や子育てに翻弄されている家族の場合、なかなか自分たちでふさわしいお世話ができない状況にあると言ってもよいでしょう。
そこで積極的に考慮したいのが、有料老人ホームへの入居です。
しかしながら、現実問題として覚えておくべきなのは、全ての老人ホームで受け入れてくれるわけではないということです。
例えば、徘徊などの問題を抱えており、自立した生活が送れないと判断された場合に入居を断る施設もあると言われているからです。
また、一旦入居したものの、その後認知症が悪化して色々な症状が出てきてしまい、結果として退去せざるを得なくなるといった状況もあるでしょう。
こうした現実に目をつぶることなく、現実を直視した上で、受け入れ可能な有料老人ホームを探さなければならないのです。
ふさわしい老人ホームを探すに当たって、まずそれぞれの有料老人ホームがどの程度のレベルの認知症まで対応できるとしているかを確認しておくのはよいことだと思われます。
実際、ほとんどの老人ホームでは認知症のレベルを表す指標として、日常生活自立度を七つの段階に分けていると考えられています。
それで入居させたいと考えている高齢者が、この七段階のうちどのあたりにいるかを確認することができます。その後、その段階にある入居希望者を受け入れてくれそうな有料老人ホームを探すことができるでしょう。
受け入れが可能な有料老人ホームが見つかったなら、次の大切なステップは実際に見に行ってみることです。
老人ホームの中には、認知症専用のフロアを設けている所があると言われています。一般的に言ってそのような専用フロアは、徘徊する恐れのある方が一人でフロアを出て歩き回ることがないよう、内側からは開けられないドアで遮られていることが多いことでしょう。
こうした様子を目にすると一見かわいそうに感じることがあるかもしれませんが、徘徊する可能性が高い利用者の安全を考えてのことですから、気持ちよく受け入れることができるものです。
さらに、担当の介護職員が変わってしまうと落ち着かなくなってしまう利用者のために、多くの場合同じ入居者を同じ介護職員がケアするように配慮されていることが多いと言われています。
リビングやダイニングといった場所に関しても、普段と違って様子になると緊張したり不安になったりする方のために、同じような環境を保つ努力が払われているものです。
認知症のケアには、専門的な知識がどうしても必要です。それで、有料老人ホームを選ぶ際には、どれほどの専門知識を持った職員が在籍しているかをしっかり確認した上で選ぶことが必要でしょう。