認知症患者が増えたことによって様々な問題が浮き彫りになっています。
昔の日本では、高齢者は家族で面倒を見るのが当然だという風潮がありましたが、共働き夫婦が増えたことによって家庭内で介護をするのは難しいのが現状です。
また高齢化が進んでいるものの寿命は長くなっているので、それだけ介護をする時間が増えていることにもつながります。
介護というのはとても大変なもので、今まで元気だった人が少しずつ老いによって衰えていくのは身近にいる家族だからこそ精神的に参ってしまうことが少なくありません。
体力的にも大変ですし、家族だけで抱え込むのは不可能な域にきているといえます。
そして高齢化によって身体が思うように動かないことも大変ですが、さらに高齢による認知症を発症する人が増えています。
認知症になることによって、徘徊などの問題が取りざたされるようになりました。
家族で患者のお世話をしている人も多いですが、24時間いつでも行動を見張っていることは現実的には不可能です。
少し目をはなした隙に家から出ていってしまい、そのまま徘徊して、電車の線路に飛び込んでしまったり、山の中で行き倒れになっていることも少なくありません。
患者から目をはなしたからだと糾弾する声もありますが、それよりも圧倒的に多いのが、認知症患者を家族で世話をするには限界があるというものでした。
ただ国や自治体が運営している施設は圧倒的に少なく、デイサービスも必要なところまで手はまわっていない現実があります。
しかも日本は高齢化が他の国と比べても進んでおり、2025年には2012年と比べて認知症患者は1.5倍も増える見込みであることが厚生労働省の調べでわかっています。
およそ700万人の患者が増えることが予想されており、65歳以上の高齢者の5人に1人が罹患するだろうという可能性が指摘されています。
現在のところ、まだ具体的な対策はとられていないので、即急に国と民間が協力して対策を生み出す必要があります。
民間レベルでは、認知症にならないように運動をしたり手先を動かす、脳を活性化させるなどの対策が行われているところもあります。
また、もし徘徊をした場合に、早めに見つけてあげられるように、ご近所や民生委員の強力も必要になってきます。
そのためにはあらかじめ罹患していることを公表して理解をしておくことが大切です。
ただ日本では偏見の目も多く、何となく怖いので近寄らないでおこうという気持ちを持つ人も少なくありません。
誰もが罹患する可能性がありますし、具体的な症状の改善方法は見出されていません。
そのため罹患したらうまく付き合って生きていかなければなりませから、そうするためには周囲の協力が欠かせません。
2025年はまだ先のようでいて、あっという間に時間が過ぎています。
今から急いで対策を考えなければ、2025年は若者や介護をする人たちへの負担が大きくなって社会問題に発展するでしょう。