認知症を患いながら老老介護をする時代がやってくる

高齢になると若いときに比べて体が思うように動かなくなったり、判断力が低下します。

 

老化現象の1つなので避けることは難しく、誰でにも体力や能力、記憶力の低下は訪れます。

 

ただ、日本では高齢化が進んでいることから、老老介護をしている人の割合が増えています。

 

65歳を過ぎてもその親世帯の面倒をみている人は多いですし、65歳を過ぎた夫婦が二人で支え合いながら暮らしているうちに、どちらかが認知症を患うということも考えられます。

 

特に65歳以上の高齢者のみで暮らしている世帯は全体の4分の1を占めており、これからさらに歳を重ねると認知症などを患う可能性が高くなります。

 

認知症には程度の差はありますが、ひどくなると徘徊などの症状が出ることがあります。

 

家の中で歩き回っているのであれば、特に危険なものはないので安心ですが、外出してしまうとなると危険なことが沢山あります。

 

しかも判断力が低下しているので危険なものと安全なものを見分けることができず、事故などの被害に遭ってしまうことがあります。

 

今までにも電車の線路に入り込んでしまったり、高速道路に徒歩で侵入するという高齢者がいましたが、その原因として徘徊というのが大部分を占めています。

 

徘徊によって事故を起こしてしまうと周囲に沢山の迷惑をかけてしまいますし、事故内容によっては損害賠償を請求される可能性もあります。

 

そのため徘徊をしないように見張っている必要がありますが、介護をしている人も65歳を越えていることも多く、老老介護になってしまいます。

 

介護は想像よりも大変なことが多く、体力的にも精神的にも大きな負担になってしまいます。

 

高齢になってストレスを感じることによって、認知症を発症する可能性が高いことがわかっていますから、認知症を患いながら老老介護をする時代がやってくる可能性があるといえます。

 

高齢になった家族を、家族だけでお世話したいと考えるのは当然ですが、現実的には難しいといえます。

 

高齢者が増えているだけでなく、寿命も延びているので、介護をする時間がそれだけ長くなっているからです。

 

また、2025年には認知症を患う高齢者は10年前と比べて1.5倍になることが厚生労働省の試算によって明らかになっています。

 

認知症は高齢者の5人に1人が罹患することになるので、今のうちから対策をとっておく必要があります。

 

国が対処をする必要もありますが、自治体レベルや民間レベルでも対策をとることが必要になっています。

 

徘徊の場合は、早めに居場所を見つけることによって事故を防ぐことができますが、そのためにはご近所の協力が必要になります。

 

町内会などであらかじめ情報を共有するようにしておけば、万が一、徘徊で行方不明になったときにも協力して探すことができます。

 

これからさらに高齢化が進み、徘徊などの行動も他人事ではなくなります。

 

誰もが楽しく生活できる環境を保つために、地域の協力が必要なのです。

 

認知症の一人暮らしの危険性と周囲のケア

 

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