年老いた両親の介護をどうしていくかというのは、息子や娘たちにとってはとても大事な問題です。
例えば、息子に一任したとしても、息子も仕事をしており、結局のところ一番負担となるのは息子の妻ということになります。
息子の妻ばかりに負担が集中し、結果として別のトラブルに発展することもあるため、親の面倒をどうするか、これに悩む人は多くいます。
こうした人が相談に訪れる場所としてあるのが地域包括支援センターです。
地域包括支援センターとは、介護や福祉、医療といったことについて、誰に相談していいのかよくわからない時などに相談してもらう公的機関です。
平成18年に介護保険法が改正され、各市町村に地域包括支援センターが設置されることになりました。
ここでは、地域住民の心のケアだけでなく、生活の安定、保健福祉の向上に伴う支援、助言などを行っていきます。
介護もこの中に含まれており、要介護状態を避けるために予防に努め、悪化を防ぐこと、高齢者への虐待の防止、ケアマネジャーへの相談などが行われています。
特に高齢者への虐待は増えており、面倒をみることに疲れ、つい手が出てしまうということに悩む人もこうしたところで相談しています。
地域包括支援センターで出た相談内容は当然他の人に伝わることなく、相談内容に合わせたアドバイスが送られ、こうした相談があったと共有することになります。
地域包括支援センターは地域によってたくさん設置されているところ、かなり狭めて設置しているところなど分かれています。最寄りのところに足を運び、相談することをおすすめします。
相談する前にやるべきことは、親と介護について話を進めていくことです。
まず、両親が年老いて、時間的余裕がなくなってから、もしくは病気をきっかけに急激に自立が難しくなってからでは話がなかなか進まなくなります。
ですので、元気なうちからこうした話をしていくことが求められます。
親の体に関して知らないことは意外と多く、かかりつけの病院はどこか、どんな薬を飲んでいるか、アレルギーは何か、そうしたことも話してみなければ分かりません。
地域包括支援センターに相談に行く際も、両親と一緒に行って話を聞いてもらう方が効果的です。予防に必要なことは何か、やはり本人が知っておくことが大事だからです。
一番気をつけたいのはこうした悩みを一人で抱え込んでしまうことです。
特に面倒を見始めてからは、世間との付き合いが薄くなり、認知症に両親がなってしまえば、毎日のように罵声を浴びる、容赦ない仕打ちを受けるような感覚に襲われ、気を病んでいきます。
こうなってしまうと、両親はおろか、その家族までも壊れてしまい、これだけは避けなければなりません。
大事なことは周囲の人に相談すること、そして巻き込むことが大切です。
他に家族がいれば、その家族にも面倒を見させる、手伝わせるということが大切で、あとは特別養護老人ホームなどに両親を預けるといったことも必要になってきます。
できるだけ負担を減らすというのは決して怠けるためではなく、あくまで長く面倒を見ていく上で重要なことという認識を持つ必要があります。
子供のころ、親から面倒を見てもらっていない人はいないように、親が高齢になり、面倒を見なければならない時は必ず訪れます。
その時に、自分がしてもらったことをお返しできないというのではあまりに親が可哀想です。
もちろん、全てをやることはできませんから、無理しない範囲で面倒を見て、色んな人に分担させるということが求められます。
大事なことは1人ですべて解決しようとしないことです。そのためにも地域包括支援センターがあるので、そうしたところにまずは相談してみましょう。