母の要介護度の進行と私達が採った介護の方法

 

 

高齢化の進展の中で、親の介護に苦労されている方は少なくないでしょう。

 

しかし介護は自分達だけで頑張り過ぎない事が大切だとよく言われます。

 

私達が母親の介護にどの様に対応して来たかをまとめてみました。

 

介護で悩まれている方の参考になれば幸いです。

 

軽い脳梗塞で急激に弱った母

 

母は米寿を迎えて暫くして、軽い脳梗塞で倒れました。

 

命に別状はなく、また目立った後遺症も残りませんでした。

 

しかし、1週間ほど入院した後に、帰宅すると足腰が極端に弱り、何となく物忘れがひどくなっていました。

 

リハビリを受けて退院したのですが、明らかに以前の様子から一気に歳をとり変化した事を感じました。

 

その様子を見ていると、今までの様に一人暮らしをするのが危険に感じました。

 

介護認定と最初の対応

 

母の様子を見て、やはり何らかの支援や介護が必要と判断し、まず最初に地域のケアマネージャーさんに相談し、介護認定をしてもらいました。

 

最初の認定は要介護2でした。

 

要介護2の認定ですが、もう少しできない事項にチェックが入れば、要介護3となるレベルでした。

 

そこで、私達が採った方法は、週に3日デイサービスに行ってもらい、入浴をさせてもらう事、私達が実家からそう遠くない所に暮らしていたので、交代で洗濯・掃除・夕食をつくる事にし、母にはガスを使わせない様にしました。

 

それまで、3回ほど鍋を焦げ付かせ、家庭用火災報知器が鳴り、近所の人に迷惑をかける事があったからです。

 

朝食は菓子パンと果物を前日用意し、昼食は給食会社の配食を利用する事にしました。

 

近いとはいえ、交代で3時頃に出向く事は、物理的な面のもありますが、精神的に何となく負担がのしかかった感じがしたものです。

 

こうした体制で、介護・支援を始めました。

 

電気・ガス・水道等の光熱費にプラスして、この体制での食事代やデイサービス等を加味すると、出費は母がもらっている遺族年金と本人の国民年金で、少し足り苦しいと言うのが実態でした。

 

それでも、母には預貯金があったので、それを毎月2万円弱取り崩せば賄え、私達の負担は必要ありませんでした。

 

急病で市民病院に搬送され1か月入院

 

そんな生活を過ごし、1年半ほど経った頃、急病で市民病院に入院する事になりました。

 

入院は40日余りに及びました。

 

ここで、退院時にリハビリをしてもらいましたが、歩行がおぼつかなくなりました。

 

そこで市民病院の福祉関係の担当の方が、すでに要介護3~4になっていると思いますとの事で、改めて認定を受けました。

 

その結果、要介護4となりました。

 

トイレに一人で行く事が出来ず、車椅子が離せない状態で、この状態では自宅ではいかに支援・介護しても生活は困難だと思いました。

 

長い入院で足腰が弱ったもので、もう少しリハビリや歩行訓練をすれば自宅に戻れるかもと思い、とりあえず老人保健施設に入居し、歩行訓練等を続けてもらいました。

 

しかし1年近く経っても、杖を使っても歩行できる状態に戻らず、老人保健施設の方からは、特別養護老人ホームを探すように要請されました。

 

老人保健施設は、リハビリや病後の回復時に利用し、自宅復帰を目指す施設で、これが不可能と判断されると、長く居続ける事が出来ない施設です。

 

特別養護老人ホームに運良く入居できました

 

 

数カ所の施設を訪問して見学や、相談を行いました。

 

その1つの施設に丁度空き部屋ができ、今なら即入居可能ですと言われました。

 

入居待ちの人が相当数居られるとの事ですが、要介護3の人が多く、今は何とか自宅介護で生活で来ているが、それが進めば無理だとして、早期に申し込みされている方が多く、私の母の様に即入居が必要な人が意外と少なく、2部屋の空ができた一部屋に入居させてもらえました。

 

現在もこの特別養護老人ホームにお世話になり、私達は毎週1回面会に出かけるだけで、直接介護からは解放されました。

 

親の介護に対しては、子供の時間が犠牲になり、また費用面での心配で悩まれる方が少なくないでしょう。

 

自宅で私達は支援・介護している時は非常に大変でしたし、費用も年金では足りぐるしい状態でした。

 

しかし老人保健施設や特別介護老人ホームに入居して介護をお任せできれば、母が事故にあう心配も大きく軽減され、私達も見守るだけで良く、非常に介護負担が軽減されます。

 

また費用面では両施設とも、収入によって必要金額が異なり、自宅がマイホームで家賃等が不要なら、施設に入って介護してもらう方が、むしろ安くなります。

 

親を施設に入れるなんてと考える人も居られますが、バリアフリー化できない自宅で介護しつつ暮らすより、施設で暮らす方が安全面でも本人の為になると思います。

 

無理をせずに、社会に助けてもらう事を考える方が良いと言えるのです。

 

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