認知症ケア専門士とは~民間資格のひとつ

現在でも社会問題となっており、そして今後もその発症が予想される人も含め、数の増加が確実視されているのが認知症です。

 

これにはいくつかの種類があり、それぞれに原因が異なります。

 

ただほとんどの種類においては完治することが難しいとされています。

 

ですが早期に発見し、適切な治療やケアを受けることで症状の進行を遅らせたり、その悪化を防ぐことはじゅうぶんに可能です。

 

そのために、特にケアの部分を担う存在として注目を集めているのが認知症ケア専門士です。

 

介護や支援など、この病気を抱えている人に対するケアと言うのは、実は症状の進行を防ぐこと、また改善に対してとても大きな影響を及ぼすこともあります。

 

これまで徘徊や介護拒否などの症状が出ていた人が、ケア方法を変えただけで、あるいはケアする人が変わっただけで、そうした症状が出なくなったと言うのも決して珍しいことではありません。

 

正しいケアを行うことは、患者さん本人にとっては勿論のこと、その周囲の人に対してもとてもメリットが大きいことですから、ケア専門士の存在は非常に重要だと言えます。

 

認知症ケア専門士は、日本認知症ケア学会が主催している民間資格です。

 

このケアに対する専門的な学識と高度な技術、倫理観を持った人材を育成することで、ケア技術の向上や保健、福祉への貢献を目的としています。

 

この資格を取得するためには試験に合格する必要がありますが、その試験は誰でも受験することが可能と言うものではありません。

 

受験するためには、過去10年の間に3年以上、認知症ケアに関する施設、団体、機関等において、そのケアの実務経験があることが必要です。

 

これは専門的施設である必要はなく、たとえばこの患者さんの受け入れを専門としているグループホームでなくても、普通の特別養護老人ホームなどで、そのケアにあたっていたと言う場合でも可能です。

 

事業所などでその実務経験を証明する証明書を発行してもらえば、受験可能となるので気になる人は問い合わせてみると良いです。

 

試験内容ですが、まず1次試験として、ケアの基礎、総論、各論、社会資源の4分野にわたる筆記試験を受けます。

 

すべての分野において70点が合格ラインだと言われています。

 

なお合格した分野はその後5年間有効です。

 

つまり万が一、不合格の分野があったと言う場合でも、翌年からはその分野だけ受験すれば良いと言うことです。

 

そしてこれに合格した場合、2次試験として面接と1分間スピーチ、グループディスカッション、更に郵送による論述試験を受ける必要があります。

 

筆記試験だけでなく、自分の思いを話す能力、他者とのコミュニケーション能力なども見られるわけですから、筆記試験の勉強さえしていれば合格すると言う試験ではないと言えます。

 

更に取得後も、学会への参加、そこでの発言、論文発表などにより単位を取得し、更新していく必要がある資格ですから、認知症に対して常にアンテナを張り巡らせておくことが求められます。

 

だからこそ、ケア専門士としての質は高く、今後も予想される高い需要にこたえ得る資格だと言えます。

 

 

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