厚生労働省が打ち出した認知症を取り巻く社会について

厚生労働省が発表している2025年度時点で認知症を患う人の数は700万人に達すると言われています。

 

700万人と言われても今一つ実感がわかない人もいるかもしれませんが、もう少し身近な事では、この年には3人に1人が65歳以上。5人に1人が75歳以上となります。

 

2025年に認知症患者は700万人を突破する可能性が高い

 

その上でこの病気の方の数を考えれば、自分自身の両隣の人がそうである可能性も十分にあるのです。

 

厚生労働省のみならずニュース等でも盛んに2025年度問題を取り上げていますが、理由は団塊の世代が75歳を迎えるためなのです。

 

何故この年齢が問題なのでしょうか。

 

1つには団塊の世代が第一号被保険者となる事により、介護保険量の負担が増大する事ですが、最大の問題は認知症患者の増大がこの年より加速するためです。

 

満75歳を迎えいきなり認知症になるわけではありませんが、厚生労働省ではこの病気の有病率は15パーセントと発表しており、年齢別の発祥率で見ると、70 歳台では4.1パーセント程度だったものが、80~84 歳では 21.8パーセント、85~89 歳では 41.4パーセント、90歳以上ともなると2人に1人がそのリスクがあると言われています。

 

こういった数的根拠に対して厚生労働省では、新オレンジプランという施策を打ち出しました。

 

人の老いは決して止められるものではありませんが、健康寿命を伸ばす事や、予防に努める事は一個人からでも行えるものとして、現在でも市区町村や各自治体とも連携しながら介護予防、認知症啓発運動も盛んに行っています。

 

しかしそれでも病気は完全に予防出来るものではありません。

 

そこで厚生労働省では地域住民の方が住み慣れた地域で最後まで生活できるようにと、地域包括ケアシステムというものを構築しました。

 

これは例え病気などになっても病院や施設に行くことなく、地域の力を使いながら自宅で生活を継続できるようにしていくというものです。

 

これまで医療完結型と言われていた病院で最期を迎えるシステムから、自宅で最期をという地域完結型システムに移行することで、医療費や介護保険料の増大を抑えようというのが、地域ケアシステムの目的でもあります。

 

前述したように、病気を知り、予防に努め、健康寿命を伸ばし、例え病気になってしまっても、住み慣れた地域で可能な限り自宅で最後まで生活できるようにしましょうというのが、この施策の意味するところなのです。

 

しかし、2025年度問題は更なる高齢化危機の予兆に過ぎず、実際に問題となるのは2035年度以降なのです。

 

団塊の世代がいよいよ80歳台後半に差し掛かる頃、更なるリスクが予測されるためです。

 

このように、厚生労働省では増え行く介護保険料、医療費と認知症患者に備え様々な施策を取っていますが、一番重要なのは地域に住む私達の問題であると自覚することなのです。

 

この問題は老いも若きも決して他人事ではなく、自身の問題として考え、認知症に対しての理解と予防に努めていく事が今後求められています。

 

 

2025年には認知症の患者はかなり多くなる

 

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