認知症の一人暮らしの危険性と周囲のケア

核家族が増える中で、高齢の方が介護をする老老介護、認知症の方が認知症の介護をする認認介護が在宅では多くなっていますが、それ以上に高齢の方の一人暮らしも急増しています。

 

認知症の方は誰か家族が同居していれば、初期症状でも気付きやすいケースが多く大事には至りませんが、一人暮らしの場合は周囲の方も殆ど気付かない場合が多くあります。

 

認知症の症状としても独自の世界観があり、自分の世界が正しい世界と認識しており、脳の委縮の病気のため自分でも病気と気付かず経過します。

 

そして遠方に住んでいる家族が久しぶりに本人と会った時に異変に気付いても病気はかなり進行している事も多くあります。

 

特に中度から重度になってくると、身の回りの管理ができずゴミ屋敷になる可能性もあり、火の元の不始末などにより火事になったりするケースもあります。

 

また、物盗られ妄想や被害妄想、幻覚、幻聴、幻視も進行の度合いにより症状が強く現れるため、自ら警察や消防署に通報したりするケースもあります。

 

症状が初期の場合は外出する機会も減り近所との付き合いもなくなるため、気付かれにくい点もあります。

 

逆に重度になると自分の家を認識出来ずにパニックになり、徘徊行動が多くなり特に夜間での交通事故の危険性も高くなります。

 

また、食事の準備も出来ないため栄養失調や夏場の水分不足による脱水症の危険性も高くなります。

 

重度の症状で特に色々な合併症を持っている方は、暑さや寒さ、痛みなども感じなくなる場合があり命の危険にさらされます。

 

それが誰にも気付かれず病院へも自分で行けないため、発見が遅れる危険性も高くなっていきます。

 

その他にも、もともと精神系の疾患を持っていた方などは、他人への危害を及ぼす事もあるので注意が必要です。

 

今後ますます認知症の方の一人暮らしは数を増す傾向で社会問題にも発展していきます。

 

現在多くの自治体や福祉施設、ボランティア団体によって、地域見守りケアを推進しています。

 

例えば民生員による一人暮らしの方への顔出し安否確認や福祉施設や行政によるサロン活動やカフェを開き、常時一人暮らしの高齢者との関わりを持っています。

 

また、民間による食事宅配サービス時に安否を確認したり、ボランティアがチームを作り1件1件お宅訪問する支援サービスも増えています。

 

更に力を入れている自治体は近隣住民へ協力の呼びかけをして、住民同士が互いに見守りや安否確認を行い、少しでも異変に気付いたら行政に連絡を入れて、スムーズに福祉の専門職を派遣したり、福祉サービスを利用して頂くシステムを構築しています。

 

但し認知症の症状が初期の方は、上述した様に自分でも気付かず自分の世界を持っているため、周りの支援を嫌がるケースが目立ちます。

 

周囲の方は焦らずゆっくりと長い目で支援する事が大事で、少しずつ本人も受け入れるので、温かく見守り程度でも最初は大丈夫です。

 

この様に高齢者の一人暮らしはリスクが伴うので、周囲のケアが今後ますます必要となっていきます。

 

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