認知症になると様々な症状が出ますが、その中で対応が難しいのが徘徊です。
家の中や施設の中で歩いているときは対応がしやすいですが、家の外や建物の外に出てしまうと、どこまで歩いていくのかがわからないので探すのが困難です。
認知症による徘徊は、物を探しているものの見つけられなくて遠くまで行ってしまう場合と、前頭側頭型特有の症状により徘徊を行うなどの原因があります。
特に認知症になったことで施設暮らしをするようになると、今まで暮らしてきた家とは勝手が違うので不安になり、昔住んでいた家や職場に戻りたいという気持ちから徘徊を行うことがあります。
また、前頭側頭型の場合は、同じことを繰り返すことが多くなり、それによって元気な時に行っていた散歩と同じようなことをしようと外出してしまうことがあります。
死亡男性の1人は認知症か、身元確認急ぐ 京急踏切事故
15日午前9時10分ごろ、川崎市川崎区池田1丁目の京急八丁畷(はっちょうなわて)駅近くの踏切で、京成高砂発三崎口行き快特電車(8両編成)に男性2人がはねられ、死亡した。神奈川県警は踏切内にいた男性と、助けようとした男性がともにはねられたとみて調べている。
川崎署によると、70代とみられる男性が踏切内に入った後に遮断機が下り、直後に50代とみられる男性も遮断機をくぐって踏切内に入ったという。後に入った男性が、先に入った男性の腰のあたりをつかんで引き戻そうとしている様子が目撃されているという。
現場には、50代の男性と、近くに住む70代男性の身分証明書が落ちていた。70代の男性は認知症の症状があるといい、2人とも連絡はとれていないという。署は身分証明書は亡くなった2人のものである可能性があるとみて、身元確認を急いでいる。
朝日新聞社
ただ判断力が低下しているため危険などを察知することが難しいので、途中で道に迷ってしまったり怪我をして倒れ込んでしまうことがあります。
徘徊をしたときの対処法として、頭ごなしに怒ったり怒鳴りつけることは決してしてはいけません。
もし目的があって外出しようとした場合、それを怒られたことで心が委縮してしまうことがあります。
特にトイレに行きたくて場所がわからずに同じところを歩き回ってしまうことがあります。
しかし歩き回っている理由を知らずに、駄目だと決めつけてしまえば、トイレに行くことが駄目だと思い込んでしまい、トイレがいけなくなってしまう可能性もあります。
特に自宅で認知症患者の介護をしているときは、家族の負担がかなり大きくなります。
外に出てしまったら探すのは大変ですから、鍵などは見つからない場所に置くようにしたり、外出して道に迷ったときの対処法として首から名前や住所、電話番号を記入したカードをぶら下げておくことが必要です。
最近ではGPS機能も発達していますから、GPS機能がついたキーホルダーや携帯電話を身にけるようにしておけば安心です。
また、患者さんが外に出ることを望んでいるときは、一緒に付き添って出かけるようにする時間を持つことも必要です。
ただ仕事など患者さんの介護をしている家族にも生活がありますから、忙しい時は無理をせずに、デイサービスを利用することをおすすめします。
無理矢理に徘徊をやめさせるとストレスがたまって、さらに症状が悪化してしまうことがありますから、できるだけやりたいことをさせてあげるようにします。
デイサービスでは歩くときに付き添いをしてくれることもありますから、デイサービスで歩いたことによって自宅では落ち着いた時間を過ごせることもあります。
また、万が一、行方がわからなくなった時はすぐに対処できるように、あらかじめ近所の人や民生委員などに認知症を患っていることを伝えておくようにします。
そうしておくと、見失ってしまった時にすぐに連絡が行き届いて、みんなで探すことができます。