親の介護放棄をしない為に

超高齢化社会に突入した日本においては、誰の身にも降りかかる可能性が高い介護問題は人々の深刻な問題になっています。

 

日本人はもともと大世帯で同居して生活していた歴史がありました。

 

家族、とりわけ親を大切にする日本人の気質は、親が歳を取って寝たきりになっても家族みんなの力で家で介護を続けてこられる環境があったのです。

 

しかしながら現代社会において、家庭の環境や社会状況は劇的な変化を遂げてきました。

 

核家族化が進み、高齢者の夫婦のみの世帯も増えています。

 

高齢者世帯の片方が介護が必要な状態になった場合には、高齢者が高齢者を介護する老々介護の問題に直面します。

 

昔気質の人であればあるほど、自分自身で全てを背負い込んでしまい介護を続けようとします。

 

その結果、介護疲れによる事件などの悲しい結末が待っている場合もあるのです。

 

同居家族がいたとしても介護は簡単なものであはありません。

 

同居している親の介護が必要になった時には、一番にその対応を行うことになりやすいのは、外に働きに出ていない主婦である娘や嫁の立場にあたる人です。

 

介護は途切れることのない終わりのない役目であると言っても過言ではありません。

 

寝たきりになるとおむつ交換から褥瘡予防の為の定期的な体位交換も含めて、夜も2時間おきには対応をしなくてはなりません。

 

昼間は食事の介助や入浴の介助、着替えや移動介助など日常生活におけるすべての介護を行うことは非常に重労働です。

 

直接的な介護だけでなく、排泄物で汚れた洗濯や掃除を行うことも簡単な事ではないのです。

 

夫や子供の世話を焼きながらそれと同時に親の介護を行う負担は計り知れないものがあるのです。

 

真面目な人ほど一生懸命に介護を頑張ってしまうため、自分を追い詰めて無理をしてしまう場合もあります。

 

自分自身の時間が全く取れずにストレスを抱えたり、介護が上手くいかなくて精神的に不安定になってしまう場合もあります。

 

この様な追い込まれた状況の中で起こる親の介護放棄は非常に悲しい出来事です。

 

一生懸命やろうとして空回りしたり、自分自身が精神的に追い込まれたり、どうしていいか方法が分からなくて助けを求められなかったりなど、介護放棄の理由はさまざまです。

 

しかしながら、介護が必要な高齢者にとってみれば、介護放棄をし続けることは、命の危険にもさらされる状態になってしまうため絶対に避けなければなりません。

 

だからこそ、親の介護を一人で抱えずに助けを求めることが大切なのです。

 

平成12年4月に施行された介護保険法によって、介護が必要な状態になった時には保険サービスを利用して1割~2割程度の自己負担金で介護サービスを利用できるようになりました。

 

世帯ごとの所得によっては、自己負担金の減額などもあり、各地方自治体ごとに特別なサービスを準備している場合もあります。

 

どのような介護をしていいか分からない人にとっては、介護計画を組み立てる専門家の介護支援専門員と相談できることは、一人で抱え込まない為には重要なことになります。

 

親の介護問題で苦しい時には一人で悩まずに専門家に相談する事が大切なのです。

 

親の介護をするのはあたりまえ?

 

 

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