親の遺産は基本的に法定相続分によって配偶者が1/2、次に子供か又は孫が残りを分けるが一般的です。
よって親の介護をしていない子の誰かが残った親と結託して余分に遺産をとろうとするケースもなきにしもあらずな世界です。
また親が重度レベルの介護が必要で子供が介護をしていた場合、親の介護をしていた子供が寄与分を主張すれば多少は遺産相続が増える可能性は一応はある事になっています。
しかし介護だけではそれが通るのが厳しいのが現実で、もし認められたとしても特に一般的な家庭においては実際の介護と言う重労働を金額にした分は戻らない配分になっています。
また親の介護をしていたとしても介護に虐待があったと指摘された場合、相続権が取り消しになるので介護も大変です。
因に遺産は権利の放棄をしない限りは法定相続分の規定で配偶者に半分いく上税金もかなりリーズナブルになっています。
子供が残りを分け死亡していたらその子供に行くシステムです。
ただし税金の割合は昔以上に高くなっており中流家庭では実際の遺産があまりに少なくなり悲鳴が出る程とまで言わしめています。
遺産は血族か養子でないともらえない仕組みになっているので、例えば長男の嫁が全て介護をしていたとしても通常その遺産は嫁には一銭も入らないのが現実です。
ただし介護をしている義理の親に養子縁組してもらい権利を得ると言う手段があります。
そういうドロドロが起きる前にやるべき方法として親が元気なうちに寄与分の指定をしっかり書いた遺言書を作製してもらう事が非常に重要です。
遺言書には三パターンがあり最も手軽な自筆証書遺言、難易度は最も高いが遺産相続問題で有利に出来る秘密証書遺言と自筆証書遺言より難易度が高い割には有利性が最低である公正証書遺言とあります。
また生前贈与してもらうと言う方法もあり、1年間で贈与を受けた金額が110万円以下なら贈与税が課せられないとされています。
ただし毎年やると税務署から税金がかかるので支払いを求められるケースがあります。
贈与の内容は何でもかまわない事になっていますが、資産価値が2,500万円までなら非課税とされ、それを超えると20%の贈与税を支払うことになります。
また遺産云々の贈与が可能な年齢としては六十歳以上である事が条件です。
当事者が父親母親であろうが祖父や祖母であっても同じ条件です。
受け取る方も年齢に条件があり20歳以上の子供か孫に対してしか対象にならない点が挙げられます。
しかし親が寝たきりで遺言書の作製が出来ない状況である事や、認知症の進行が進みすぎて遺言書を書く事が出来ないと言うケースでは難しいとされます。
遺言書が不可能であると言う上で親の介護をするのであれば、他の相続者との関係を良好にしておく必要があります。
つまり、親の介護の内容等を理解してもらう事と、介護に対する当然の見返りがある事を理解してもらい、労働に応じた寄与分を受け取れる様にすると言う事です。