介護というのは簡単なことではありません。
しかし高齢化が進んでいる現代において、どこの施設も介護士不足が深刻化していたり、施設に親を預けたくても費用が高くて預けられなかったりと様々な理由から自宅で介護を行うという人も少なくはありません。
もちろん親からすれば、自宅で過ごすことができるというのはリラックスできる上にお金の心配もしなくていいため一番ストレスフリーなのです。
しかし老化や病気によって自分のことができなくなってしまったりした場合には自分の子どもの力に頼らなくてはなりません。
介護はただ話し相手をしたり、食事を作ってあげたり、掃除をしてあげたりという単純なものではありません。
まだ自分で歩いたり食事ができるくらい元気であれば良いのですが、人間は日々衰えていくものです。
そのため徐々に記憶が曖昧になっていったり、食事も満足にのどを通らなくなってしまったりという変化が起こります。
こうなっては素人では手に負えなくなってしまうことも珍しくはありません。
親の介護を施設にお願いするのではなく家族でやりたいという場合には、きちんと介護に関する知識を学ぶ必要があります。
そうすることによって介護をしてもらう側も、介護をする側もパニックに陥る事態を未然に防ぐことに繋がるのです。
人間の老化現象というのは一定ではありません。
何歳になっても元気な人もたくさんいますし、ちょっとした心配事や不安がストレスとなって老化を著しく進行させてしまうということもあります。
そもそも老化していくことでどのような変化が見られるのか、またその時の対処法をきちんとわきまえておく必要があります。
年を重ねていくごとに人間は赤ちゃんにかえると言われています。
わがままになったり、人に甘えようとしたりという言動が見られるようになります。
こうしたことから多くのお年寄りが集まる介護施設では自分ばかりに構ってもらえないことから「世話をしてもらえない」などのクレームを言うようになったりするのです。
しかしそれが事実なのか、老化からくる言動のせいなのかの判断は直接見ていないと分かりません。
それが心配だからと自宅で介護を行うと、今度は家族に精いっぱい甘えるようになります。
自分の親ですが、こうした言動の変化にもきちんと対応できるよう事前に予備知識を入れておくようにすることが大切です。
家族だからと言っても、親の介護というのは簡単ではありません。
ストレスからパニックを起こしてしまう人も少なくはないのです。
そのため1人で抱え込むのではなく、他の家族にも協力してもらうということも大切です。
役割分担をするようにして負担を減らすことによって、介護疲れというストレスを回避することができます。
協力してくれる人がいないという場合には施設にお願いする、誰かに相談するというような手段をとり、自分1人で抱え込むことを避けるというのが大切です。
親の命も大切ですが、自分の命も大切にしてこそ介護が成り立つのです。