近年の高齢化社会の進展や家族形態の変化、近所同士など人付き合いの希薄化などにより、様々な問題が引き起こっています。
その中のひとつに親の介護があり、先述したことを当てはめていけば、高齢化社会の進展によって介護を必要とする人が増えることや、家族形態の変化や近所同士など人付き合いの希薄化などにより、たとえば核家族が増えたことによって介護をする人の負担が増え、その上近所など周りの人にも相談ができない、などといった問題が表面化しています。
親は自分自身を一生懸命育ててくれた大事な人ですが、いざ介護をするとなると、その意識があったとしても継続させることは困難を極めることが多いです。
したがって、将来来るべき親の介護に備えて、しっかりとした準備をしておくことが重要になります。
まずは、家族全員で役割を決めておくことです。
家庭によっては家族一人一人が仕事や結婚のために遠くで暮らしていることや、そもそも兄弟や親族の数が少ないということもあり得ます。
それらをしっかりと把握した上で、たとえば一週間のうち、親の介護をする曜日や日数を決めておいたり、介護をする人が足りない場合や緊急の用事などでできない場合などには、デイサービスやヘルパーに頼めるような連絡網を敷いておいたりするなど、あらゆる状況においての準備を行っておきましょう。
その際に大切なのは、それぞれが納得のいく話し合いをすることです。
一人一人の負担がなるべく均等になるようにしなければ、いざ介護の場面になったときにトラブルを引き起こしかねないので、そういった意味でも余裕を持った話し合いを行うことが望ましいと言えます。
次に、近所の人々や、掛かり付けの医師やヘルパーなどとのコミュニケーションを図れるような環境を作ることも、重要な準備とひとつといえます。
親に限らず介護の現場では、介護の対象となる人が、たとえば認知症などによって勝手に行動することにより周りのお世話になってしまうことや、最悪の場合事故に巻き込まれる可能性があります。
それらのリスクを十分に減らすためには、近所の人に介護している親が存在することを知らせたり、掛かり付けの医師やヘルパーなどに日頃気を付けなければならないことなどを聞いておいたりするなど、積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。
介護は身体的や精神的な強さだけでなく、様々な知識と経験も必要となってくるので、日々のコミュニケーションを有効に活用することによって、少しずつ培っていくようにしましょう。
次に、介護疲れの防止です。
いくらお世話になった親とはいえ、毎日介護を行っていると身体的にも精神的にも非常に辛い時期が訪れます。
いわゆる介護疲れというのは、近年増加している虐待や自殺などに繋がりかねないため、その意味でも準備の段階でしっかりとした対応策を考えておくことが大切です。
たとえば、きちんとした知識を把握しておくことで、出来るだけ負担の少ない介護の方法を行えるようにしておくことや、場合によっては一定期間介護施設を利用するなど、様々なシチュエーションに備えた準備をしておくと安心です。