介護施設には種類があり、入所する人の状態や区分によって、選べる施設に違いが生じます。
介護付有料老人ホームは、費用が高額になりがちですが、その分得られる介護の質は高まると考えられます。
ただ、介護付以外にも、住宅型や健康型の有料老人ホームがあり、それぞれ対応する内容に差があります。
介護付と住宅型介護施設の差は、介護保険の適用が大きな違いで、住宅型は保険適用が受けにくい点が挙げられます。
また、健康型は他のどれよりも費用が高額で、認知症の対応も低い事が欠点になります。
つまり、比較的健康状態が良好な人は、手厚い介護を必要としない住宅型、健康状態に懸念がある場合は住宅型を選ぶ段階に入ります。
介護施設の観点で見れば、介護付有料老人ホームが最も代表的で、求めるサービスや品質が得られる対象になります。
しかし、厄介なのは他にも介護施設の分類がある事で、選択肢の幅広さは利点になりますが、選びにくさは短所になり得ます。
大切なのは介護施設の違いに対する理解を深めたり、必要とする施設を探すヒントを得る事です。
認知症が進んでいたり、高額の費用を支払う余裕がない場合は、重度の介護にも対応する特別養護老人ホームが選択肢に加わります。
特別養護老人ホームの特徴は、費用が特に低料金で済んだり、中程度以上の認知症の介護にも対応している事です。
更には、介護保険の適用が可能で、個室も選べる事が他よりも優れています。
認知症の対応度も高いので、至れり尽くせりと思われがちですが、当然ながら競争倍率は高く、入所の難易度の高さは最大のデメリットになります。
経済的に余裕のない家庭では、保険の適用を受ける必要性があるので、必然的に入所が難しい介護保険施設を選ぶ結果に繋がります。
経済の懸念はあるものの、一刻も早く入所が求められる段階にある時は、難易度が低く費用も少なく済むケアハウスがおすすめです。
ケアハウスは認知症の対応も出来ますが、自立から重度の要介護者の対応も可能で、個室かつ費用は中程度で済む事が大きな利点です。
一方、保険適用は受けられないケースが多いので、毎月の費用は実費で負担する必要があります。
理想的な入所先としては、費用と認知症の対応力、中程度の介護レベルまで対応したグループホームになります。
グループホームは、費用面の負担は最低クラスで、介護は中程度までに留まりますが、認知症でも受け入れてもらえるので安心です。
介護保険は勿論、個室の入居スペースも与えられますし、入所の難易度を除けば理想的な介護施設と評価出来ます。
このように、介護関連の施設は一見同じに見えても、様々な点が違っていたり、逆に共通点が重複する事もあります。
入所先を検討するのであれば、身近な施設のリストアップや比較を行い、現実的な条件で絞り込んでから決める事が肝心になります。
求める条件の優先度を決めておく事で、施設選びの難易度は大きく下がりますし、あれこれと悩んで混乱する心配が避けられます。
一般的に、費用のかかる施設はサービスの質が高く、経営者やスタッフに余裕が感じられる事が多くあります。
高額に設定される費用により、それが入所の障壁になっているので、入居者が増え過ぎない点と常駐しているスタッフの人数が余裕に結び付いています。
入所難易度の低い施設は、金額だけを見れば低負担ですが、入所までの道のりが長く、本人の介護度とか待機者数によっては5年待ち続けても入所できない事もあります。
どれも一長一短があり、全ての人に必要な介護が提供されているとは限りませんが、違いを知り妥協点を見つけ出せば、比較的早く好条件の施設に入れる可能性が高まります。
完璧を求めれば、理想は現実に遠のいてしまいますが、妥協したり許容範囲を広げる事で、必要な介護が受けられる施設は大幅に見つけやすくなります。