老人ホームの入居と在宅介護との比較

介護の現実

250225

高齢化社会が急速に進んでいます。

 

地方では高齢化率が40%を超える自治体が急激に増加しています。

 

そして、都会でも、高齢者が確実に増えています。

 

健康で、元気で年齢を重ねている人ばかりではなく、介護が必要な高齢者が増加しています。

 

このような高齢者は老人ホームのような介護施設に入居するか、在宅で家族に世話をしてもらうのか選択に迫られます。

 

施設に入居すれば、経済的な負担は必要ですが、家族への負担は少なくなります。一方、在宅介護を選択すれば、介護保険の利用などで経済的負担は軽くなりますが、家族の負担感はずしりと大きくなります。

 

 

負担が大きい老々介護

240762

介護が必要な高齢者の場合、家族も高齢者というケースは少なくありません。

 

施設を利用する場合、有料で高額な医療と介護の設備が充実した施設などを選ぶことが出来ますが、経済的な負担はかなり大きくなります。

 

在宅介護を選択する場合は、介護する家族の年齢も大きな要素となります。

 

若い家族がいればいいのですが、高齢者夫婦二人住まいとか、高齢の親の面倒を見る高齢の子どもというのがほとんどのケースになります。

 

定年退職後の息子や、その妻にとっては、高齢の親の毎日三度三度の食事や、排泄の世話などは重労働になります。

 

体力的負担も大きいのですが、精神的緊張感はさらに負担感を増します。

 

さらに、介護する親が病気だったり、認知症だったりすると、とても大きな負担がかかることになります。

 

老人ホームのメリット、デメリット

140025

認知症の老親や配偶者を介護する場合は、やはり老人ホームなどの介護施設を頼らざるを得ないでしょう。個人で在宅介護をするのはかなり無理になります。

 

専門の職員の目が届く介護が必要になるからです。

 

しかし、老人ホームでの介護を依頼する場合は、当然、金銭的な負担が大きくなります。

 

さらに、現実として、施設に収容された場合、認知症などが進行するケースも多いのです。

 

在宅介護のメリット

138257

在宅の場合は、なんといっても長年住んだ自宅で、家族に見守られながら介護がおこなえるという大きなメリットがあります。

 

介護される高齢者にとってこれは大きなことです。

 

日常的に家族との会話、触れ合いの中で、ゆっくりと年をとっていくことは理想です。

 

ただし、これを支える家族にとっては、いい事ばかりではありません。

 

これを解消するには、周期的に家族が介護から離れる期間や時間を取れるように工夫することが大切です。

 

在宅介護の場合は施設のデイサービスを利用することが必要です。

 

週に1~2日は宿泊を伴うデイサービスを利用するなどして、家族の休息日を作ることです。

 

そうでないと、長い年月の介護は、介護する家族にとっても、介護される高齢者にとっても非常に大きなストレスとなって蓄積されていきます。この蓄積が破綻を招くことになります。

 

何を基準に考えればいいのか

138259

老人ホームの入居と在宅介護のどちらを選択するかはむずかしい選択です。判断の基準をなにに置くかでも違ってきます。

 

経済的な問題、体力的な問題などによっては選択肢が狭まれる場合もあります。

 

しかし、一番考えたいのは、介護される高齢者の人として生きてきた尊厳を大切に考えることも必要です。

 

その上で、無理なく続けられるのはどちらなのかを話し合ったうえで決めることが大切です。

 

家族の役割

247760

また、家族がどのような役割をはたすのかも大切なことです。

 

直接同居する家族だけでなく、すべての家族が協力して向き合うことが必要です。

 

家族にとって、大きな存在であった両親が人生の最後を迎えようとしているとき、どのような時間を過ごしてもらうのか、家族全員で考え、家族全員で支えることが大切なことです。

 

介護される本人にとって幸せか

施設に入居して安心で、安定したサービスのなかで、ゆっくりと最後の時間を過ごしてもらうことは、本人にとっても安らぎを覚えるでしょう。

 

また、自らが築いてきた歴史をかみ締めながら自宅で介護を受ける暮らしも、安らかな時間を与えることが出来るでしょう。

 

介護を受ける本人にその判断能力がある場合は、本人に選択を任せることもいいかもしれません。

 

自らの意思で、施設を選択するのであれば、家族と離れ離れになる寂しさも克服できるのです。

 

高齢者介護の問題は、誰にも振りかかる問題なのです。好むと好まざるにかかわらず、誰もが介護の必要に迫られることになるのです。

 

その時に、どのような判断をするかは、家族が培ってきた歴史の重みとも重なってきます。

 

最近、高齢夫婦が夫の介護に疲れ、妻に自らを「殺して欲しい」と頼み、妻も後をおって死のうとするケースも発生しましました。長期の高齢者介護は、外からでは分からない大きな負担がのしかかることを示しています。

 

高齢化社会の進展はますます進み、日本では、2040年には高齢化率40%を突破すると言われています。

 

ほぼ3人に1人以上が高齢者となる社会が目の前に来ています。施設か在宅で介護期を迎えるのか、今から真剣に考えておきたいものです。

 

 

自宅ではなく有料老人ホームで過ごすという選択

在宅介護での精神的負担の現実

 

 

コメントを残す