現代の日本は、若年層が減少し高齢者層が増加する高齢社会となっています。
高齢社会は今後ますます進行し、戦後の団塊の世代とよばれる層が高齢者となる2025年には、日本国民の大半が高齢者となると言われています。
高齢化問題の大きな課題として、家族介護が挙げられます。
少子化や核家族化が進行し、高齢者との同居率は減少の一途をたどっています。
若年世帯の減少は、郊外で顕著にみられ住民の大半が高齢者となる限界集落も多く発生しています。
そうした人口の偏りは、単なる人手不足だけでなく社会インフラの整備にも大きく影響し、介護の必要な高齢者が多くても受け入れる施設が無いといった社会問題を生み出しています。
近年では、介護保険制度の整備により医療機関への長期入院、いわゆる社会的入院は解消傾向にあると言われています。
しかし、特別養護老人ホームやグループホームなどはいまだに絶対数が不足しており、行き場のない要介護老人は数千人にも上ると言われています。
そうした、介護が必要な方を受け入れる施設として注目されているのが、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅です。
これら二つの施設を比較するときに、どのようなポイントを比べたらよいか利用者側は熟知する必要があります。
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い
一般に、有料老人ホームとは厚生労働省の認可を受けた介護施設を言います。
特別養護老人ホームは、平成27年より要介護3以上の認定を受けなければ原則入居は不可能となりました。
しかし、現実には要介護2以下でも認知症や身体に障害がある方は多く存在しています。
そうした人たちの受け皿として、要介護認定に関わらず入居できる施設として有料老人ホームの需要が高まっています。
入居費用は厚生労働省が示す、介護報酬単価にのっとって決定します。
ただし、入居一時金や礼金などは、施設により異なるため予め確認が必要となります。
一方、サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省の認可を受けた民間施設としています。
ゆえに、入居費用などは厚生労働省の管轄外となり、いわゆる家賃などの賃貸契約に基づく費用となります。
サービス付きとは、その住居に併設あるいは提携した介護デイサービスやホームヘルパーを別途契約し、入居した居室で独自サービスを受けることを指します。
そのため、入居費用は家賃のみの表記のことが多く、安価な施設と思われますが、実際には要介護認定に応じた介護サービス費が別途必要なため、事前に施設側やケアマネージャーとの確認が必要です。
現在では、大手ポータルサイトなどで有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅の費用やサービス内容を比較見積もりできるサービスも増えてきています。
病気や要介護状態でも、最期まで明るく健やかに過ごせる住処をご自分で選びたいものです。