親の介護における老人ホームの選択

親の介護は現代社会の課題で、子供にとっては避けて通ることができない問題です。

 

ここでネックとなるのは、子供自身の生活に支障を来すという負担増の部分でしょう。

 

老人ホームは悩みを解消できる魅力的な選択肢で、親本人に経済的な余裕があれば実現可能です。

 

ただ、家庭によっては親の世話をするのが子の務めと、プライベートの犠牲が強いられることもあります。

 

一方では親が入居に納得しているにも関わらず、子供が罪悪感を覚えて老人ホーム入りを拒否するケースも発生しています。

 

親の介護に正解はありませんから、介護施設が絶対的に正しいわけではないものの、現実的にはこれほどまでにない良い選択肢です。

 

老人ホームを選ぶメリットは、親と子供の双方にいくつもあります。

 

親が得られるメリットとしては、子供に掛ける心配や負担が小さく、本人も安心して暮らせる点が挙げられます。

 

在宅で過ごす必要がなくなりますから、子供はいつも通りに仕事をして自らの生活に取り組めます。

 

在宅だと付きっきりが必要になったり、外出時にヘルパーがいないと不安感が増すものです。

 

特に認知症を発症している人は、軽度であっても子供にとっては大切な親なのでやはり心配になります。

 

親子は一緒に住むのが一番、そういう考えも一定の理解は得られますが、現実を考えれば在宅による親の介護は最善ではないでしょう。

 

しかし老人ホームにもデメリットはあるので、最終的には一長一短だと結論付けられます。

 

施設に入居するデメリットは主に、親子や家族の交流が少なくなること、そして状況次第で親の認知症が進む二点です。

 

施設は何といっても自宅とは違う場所ですから、自宅に長く慣れ親しんだ人だと離れるのを嫌ったり強く寂しがります。

 

この寂しい気持ちは親子関係に影を落としたり、認知症の発症率が高まる、または既に発症している症状が進む可能性を高めます。

 

ただし、定期的に電話をしたり施設を訪れて過ごすなど、こういった子供側の配慮があれば解決します。

 

親の介護で最悪の場合は子供の人生が滅茶苦茶になる、その恐れを考えれば施設の入居は悪くない決断です。

 

余程人見知りで人付き合いが苦手でなければ、施設の仲間やスタッフと交流したり、新たな人生を始めることができます。

 

生活する場所が離れて距離ができるのは寂しいものですが、それぞれが無理なく幸せに暮らせるとしたら、決して後悔するような選択にはならないでしょう。

 

逆に在宅で介護を行うメリットは、親の変化を目の当たりにしつつ一緒に暮らせることです。

 

老いていく親を見るのは誰にとっても辛いことでしょうが、育ててくれた人に対する感謝の気持ちが強ければ、最後の最後まで見届けるというのもありです。

 

後何十年一緒に過ごせるかは誰にも分かりませんが、老いてもなお笑いあったり喧嘩できるのは、他の介護方法では得られない喜びの一つです。

 

その分、子供の負担は年々大きくなりますから、親の方も覚悟して負担を減らすように努力することが求められます。

 

在宅の決断は早ければ早いほど良く、そうすれば親も運動や食生活の改善といった、老いを食い止める取り組みが始められます。

 

子供の方は介護の助けになる保険の加入だとか、公的な支援サービスについて学べる時間が確保できます。

 

介護問題は非常にデリケートなので、親子で話し合う機会が設けられず先延ばしにする傾向が強く表れます。

 

第三者に頼むのも恥ずかしいという意識が働きますから、介護に直面してから家庭内で抱え込み、そして負担が大きくなるケースが少なくありません。

 

このタイミングで資産に余裕があれば、まだ老人ホーム入所の選択でリカバリーすることができます。

 

追い込まれて解決策が見い出せず、ただ親が老いて介護が終わるのを待つだけなのは辛いことです。

 

何時かは必ずやってくる親の介護ですから、若いうちに話し合ってその時に備えるのが大切です。

 

老人ホームは不自由で人間らしくない、そんなイメージは過去のもので今は違います。

 

施設内は光を採り入れて明るかったり、スタッフの支援によって充実した日々が送れるようになっています。

 

定期的なイベントの開催を始めとして、軽い運動にスポーツやレクリエーションなど、飽きさせない催し物ばかりです。

 

在宅で取り組む親の介護は、親が子供に罪悪感を感じて楽しく過ごせなかったり、一日の殆どがテレビを見るだけなど充実したものとは限りません。

 

一人が一人を支えるのは想像以上に大変ですから、複数のスタッフや仲間と支え合える施設であれば、このような問題の多くが解消します。

 

どちらが良いかは本人、あるいは子供の希望に左右されるので、世間一般や他人の意見よりも自らの気持ちに耳を傾けるのが得策です。

 

無理をするとやがて家庭や人生の崩壊を招く問題ですから、なるべく負担の少ない選択を決断するのが理想的です。

 

現代人の人生は80年余りと非常に長く、過去最高に老後の期間が延びています。

 

とはいえ、寿命を迎えるまで心も体も健康的に過ごせる人ばかりではないので、無理なく生活を継続する方法の検討や選択が必要です。

 

 

親の介護でUターンを考える時

 

 

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