長寿社会となり、親の介護というのは一層深刻な問題となっています。
大人になるまで育ててくれた親の面倒を見たいと思っていても生きていくためには、お金が必要ですから仕事を休むことはできません。
もし休んでしまえば、それが原因で仕事を失い親子共倒れになってしまう危険性さえあります。
実際にテレビや新聞で報道されているニュースの中には、その結果として命を落としている事件もあるくらいです。
そのようなことにならないようにするためには、老人ホームに預けることが解決策となります。
でもそこで悩むことになるのは、どこに預けたら良いのかということです。
手厚く介護をしてくれる老人ホームが理想的ですが、たいていの場合にはサービスと料金は比例するので、負担が重くなってしまいます。
かといって料金が安いところだと、設備や食事が満足のいくものではなく不便な生活を強いられるかもしれません。
なにより料金が安いところは需要が高いので、順番待ちになりやすいです。
では、どのようにして親の介護をしてくれる老人ホームを探していくのかというと、インターネット上に公開されているサイトやパンフレットの資料請求などが参考になりますが、最終的には現地に見学しにいくことが重要です。
見学ではどのような点を見ていくべきか、流れに沿って確認していきましょう。
最初に見学の申込みですが、たいていの施設ではいつでも見学と体験入居の受付をしています。
サイトやパンフレットの情報から気になる候補を絞り込んで希望の日時を伝えましょう。
ただ、施設を見ても、素人では見逃してしまう部分もあるかもしれないので、アドバイスサービスのスタッフなどに同行してもらい意見を聞くことも検討するべきです。
見学をするときには、説明をメモするだけでなく、気になる部分を撮影することも考えて、撮ってもよいかと事前に許可を得ておきましょう。
見学当日にどこを確認するべきかというと、まずは建物についてです
設備の充実具合はもちろんのこと、そこにいくまでのアクセス方法や周囲の環境について見ておきます。
周囲の環境で入所する親のためには、自然のある場所が良いと考えると、都市部から遠く離れた山奥だったりして車で移動するのも大変なところかもしれません。
そうなれば家族が顔を頻繁に顔を見に行くことが出来なくなってしまって落ち込んでしまう可能性もあります。
見学で行くときには、そういったことも考えておくことが必要です。
建物の内部のことでは、部屋の広さや収納の多さなど生活をする上で重要な要素を見ておきましょう。
不便がない程度の部屋であるだけでなく、掃除は行き届いているのかといったこともよく確認しておくことです。
いくら部屋が広くても汚れていたり壊れていたりすれば気分は良くありません。
それに、そういったところで手を抜いているようであれば、介護の質も疑わざるを得なくなります。
施設では、他の入居者と一緒に過ごす共有スペースも重要なところです。
長い時間を過ごせるように、娯楽となるテレビやゲームなどがあるのか、長時間座っても疲れないような椅子は置いてあるのかということを確認していきます。
高齢者の場合には健康は気をつけなければいけないところですが、共有スペースで喫煙する人としない人が一緒に過ごせば健康被害が出てくるかもしれません。
親に喫煙習慣がないのでれば、全面禁煙あるいは喫煙スペースだけで吸えるようにしているかを確認しておきます。
介護が必要な人の場合、自分で体を動かすことがままならなくなったときには入浴は機械を使うことになりますから、設備があるのかといったことも尋ねておきます。
そして体を動かすためのリハビリをするためには、訓練室などもあったほうが良いでしょう。
建物の次は人を見ていくことになります
肉体的にも精神的にも大変な負担がかかる仕事ですから、疲れをかかえやすくなっています。
それでも見学をしたときに丁寧な挨拶をしてくれるのか、とか仕事をしているときにつらそうな養生を浮かべていないか、といったことで信頼できるかどうかを見極めることが出来ます。
良いスタッフが揃っていれば、入居者も明るく積極的にコミュニケーションを取ろうとするので、施設内の空気も違います。
もちろん、印象だけでなく普段はどういう仕事をしているのかを質問しておくことは大事です。
巡回の頻度や万が一のときにどのように対応してくれるのかといったことを尋ねます。
それで、しっかりとした返答をもらえるようであれば、質の高い仕事をしていることがわかります。
場合によっては病院に搬送しなければいけなくなるかもしれないので、提携している医療機関についても確認しておくと安心です。
建物と人についての確認をしたら、入居するにあたって契約について説明を受けましょう
親の状況から入居する事ができるのか、万が一介護度が上がったときには退去しなければいけないのかといった条件を尋ねていきます。
あと料金について、決まった料金のほかにも追加で発生するものなどがないのかを調べていきます。
契約をする際に必要となる重要事項説明書の内容なども尋ねましょう。